おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
今朝は旧約聖書詩編の第6編の言葉です。
「わたしは嘆き疲れました。 夜ごと涙は床に溢れ、寝床は漂うほどです。」
涙が床にあふれて、寝床がぷかぷかと漂うとは、ずいぶん大げさな表現です。いったいこの詩編の作者が味わったそれほどまでの大きな苦しみ・悲しみとは何だったのでしょうか。癒されない病との闘いでしょうか。愛する者の突然の死でしょうか。あるいは自然の災害に一瞬のうちに財産を失ったことでしょうか。
この詩編の作者は言います。
「悪を行う者よ、皆わたしを離れよ」
この詩編の作者を苦しめていたものは、ひとつには自分に対して悪を企み、悪を行う者たちの存在でした。しかし、この詩編の作者をいっそう苦しめたのは、この苦しみに出口が見えなかったことです。出口の見えない苦しみほど苦しいものはありません。
「主よ、いつまでなのでしょう」と作者は神に問いかけます。
しかし、これほどに苦悩に満ちた詩にもかかわらず、最後は神に祈りが聞きあげられることを確信して、全体が結ばれます。それは、この詩編の作者には、神の慈しみに対する揺るぎない信頼があったからです。
この番組をお聴きのあなたも、ぜひ聖書の神の慈しみに目を留めてみてください。