お元気ですか。新座志木教会の弓矢健児です。
皆さんはボンヘッファーという人をご存知でしょうか。彼は1906年に生まれたドイツ人の牧師ですが、ナチス・ドイツの独裁に反対し、ヒトラーに反対する抵抗運動に加わったため、逮捕され、1945年に39歳という若さで殉教の死を遂げました。
情勢が厳しくなって行く中で、彼には何度も亡命するチャンスがありました。しかし、彼はキリスト者としてナチスの圧政の下で苦しんでいる人々を見捨てて、自分だけ逃げることはどうしてもできなかったのです。
若すぎるボンヘッファーの死は、人間的な目で見るなら、まさに悲劇という他ありません。しかし、彼は決して獄中で失意と絶望の中、殺されたのではなかったのです。彼は絞首刑になる直前、友人に次のように語りました。「私にとって、これがいよいよ最後です。しかし、またこれははじまりです」
ボンヘッファーの最後の言葉は深い信仰に裏打ちされた告白の言葉でした。しかし、彼は人間的に強かったから、このように言えたのでありません。そうではなくて、彼はキリストにある新しい命の確信を信仰によって与えられていたということです。
わたしたちもまた同じように信仰を通して、その確信を与えられます。どんな時もそのことを忘れずに生きる者でありたいと願います。