21年前に大ベストセラーになった「積み木くずし」という本があります。筆者は著名な俳優でしたが、思春期にどんどん非行に走って行く自分の娘の姿を赤裸々に描き、テレビ化もされました。その父親は教育評論家としてもてはやされるようになりました。その本は、娘さんが立ち直ってゆく兆しが見える所で終り、読者の私も当時は希望を抱いたものでした。
ところが昨年、その娘さんは35才で亡くなっていたのです。実はその後も、彼女は覚醒剤所持で逮捕され、体を壊し、離婚もし、摂食障害をくり返した痛々しい生涯だったのです。父親はテレビで、「私があの本を書いて娘を死に追い込んでしまった」と言って涙を流していました。
この娘さんは、思春期の心の荒れ方を実の父親によって世間に暴露されてしまい、さらに深く心は傷つき、病んでいったのではないでしょうか。
私達は、ボロボロに心が破れ、苦しんでいる時にも、そっと黙って見守ってくれる存在を求めています。誰よりも私達を愛して、丸ごと受けとめて、成長を信じてじっと待ち続けてくれる愛を求めています。聖書の神様はそのようなお方です。それのみならず、私達の所まで降りてきて下さり、十字架にかかってまで私達を救って下さったお方です。
聖書をお読みします。ヨハネ3:16「神はその独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」