川杉　安美（綱島教会牧師）

メッセージ： ゆっくり力

　ごきげんいかがですか。綱島教会の川杉安美です。

　先日、本屋さんで『ゆっくり力』という題名の本を見ました。物事をゆっくりすることの価値について色々と教えているのでしょう。今日では、早いこと、効率的であること、そういうことに価値があると思われる時代ですから、ちょっとおもしろそうだなと思ったわけです。

　イエス様も、信仰のことについて、時間をかけて忍耐して実を結んでいくことを教えられたことがあります。聖書の教えの受けとめ方に4種類あると。
　1つは、聖書の言葉を聞いても全然関心を示さないで聞き流して終わってしまう場合、2つ目は、聖書の教えを聞いた時には喜んで受け入れるけれども、ちょっと試練とか、困難とか、そういうことがあるともうその聖書の教えを捨ててしまうとかいうもの。3つ目は、聖書の教えを聞くことは聞くのだけれども、もっと他のこと、お金もうけとか快楽とか、そういうことの方に関心が行ってしまって、結局聖書の教えが実を結んでいかない。そして4つ目が、聖書の教えを善い心で聞いて、よく守り、忍耐して実を結んでいく、そういうものです。そして、実を結ぶことができるならば、それは30倍、60倍、100倍もの実を結ぶと教えています。ちょうど小さな種が畑に蒔かれて、根を伸ばし、それから芽が出て、だんだんと成長して、大きくなって、やがて実を結んでいく、そういうようなものだと。

　聖書を学んだ、お祈りをした、さあ神様私の悩みを早く解決してください、そんなふうにせっかちになってしまうことがあります。けれども、ゆっくりの力、それを信じて、聖書の教えを時間をかけながらゆっくり取り組んでいきたいものです。豊かな実りのために。