あさのことば 2004年4月12日放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

吉岡 繁(元神戸改革派神学校校長)

メッセージ: 神とわたし


 ご機嫌いかがですか。吉岡繁です。私は、40年牧師をしていましたが、10年前に引退した老人です。死は、今自分にとって最も身近なことです。聖書に「神は命を与え、命を取られる」とあります。人は自分の願う時に、自分が欲するように死ぬことは出来ません。人の死は神さまがお決めになることです。生まれる時も同じです。私たちは、普通は自然な形で親から生まれてきますが、神様が親を通して命を与えて下さるというのが、命の不思議な神秘を経験した人の素直な思いです。

 私たち戦争世代の者は、20才になると兵隊に取られ、生きて帰れるとは少しも思わず、決死の覚悟で戦場に赴きました。多くの友がフィリピン、ビルマ、沖縄、シベリアなどで戦死しました。生きて帰れたのは奇跡です。戦場で生死を分けたものは何でしょうか?

 末期癌で死んだ1人の友人は、尊厳死を前にして「吉岡君、僕は不勉強で真剣に宗教のことを考えてこなかったが、僕の人生の背後に目に見えない大きいものの力が働いているのを信じるよ」と言いました。

 人の一生は、偶然という不確かなものに翻弄されるのではなく、一人一人に対する神の確かな意思によって導かれています。
 人生の目的は、この神を知ることです。神を知って私は自分の本当の姿が分かったと思います。

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