あさのことば 2004年1月20日放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

川杉 安美(綱島教会牧師)

メッセージ: 一つの聖句


 ごきげんいかがですか。綱島教会の川杉安美です。

 昔話になってしまいますが、私は、教会付属の幼稚園に通っていました。教会付属なので、ときどき聖書の話を聞きました。

 今でも覚えているのが、ヨハネによる福音書20章にあるトマスの話です。
 十字架の死から復活したイエス様が、一緒に集まっていた弟子たちに姿を現してくださいました。ところが、そのときにトマスという弟子は一緒にいませんでした。あとから弟子たちが、復活したイエス様に会ったことを言うと、トマスは言います。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない。」つまり、イエス様が十字架にかけられたときの釘の跡や、槍で刺し貫かれたわき腹に実際に触れてみなければ、信じないと言うのです。言い換えれば、イエス様が復活したなどとは、信じられないということです。しかし一週間後、今度はそのトマスも一緒にいるときに、復活したイエス様は現れてくださいました。そしてトマスに語りかけます。「信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」「見ないのに信じる人は、幸いである。」。

 当時幼稚園でこの話を聞いたときに、本当に単純に、そうだそうだ、トマスはどうして信じなかったのだと、思いました。
 大人になってから、反対に神様のことが分からなくなり、悩んでいたときに、今度はこの記事が諭してくれました。「見ないのに信じる人は、幸いである。」。自分もトマスになっていた。復活したイエス・キリストは、共にいてくださるのだと、信仰を回復することができました。聖書の御言葉は不思議です。ずっと心にとめておくと、何か起こります。

Copyright (C) 2004 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.