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エレミヤ33章
「その名は「主は我らの救い」」


「その日、その時、わたしはダビデのために正義の若枝を生え出でさせる。彼は公平と正義をもってこの国を治める。」
(エレミヤ 33章15節)

 戦争による被害は悲惨でした。神殿も宮殿も焼かれて城壁は破壊され、都には死体が累々と横たわっていました。「そこは荒れ果てて、今は人も、住民も、獣もいない」(10節)ほどとなった廃墟に、人の目に見える希望はありません。

 しかし、イスラエルにご自身をあらわした神は「創造者、主、すべてを形づくり、確かにされる方」です(2節)。天地万物が創造された初めに、闇に覆われて混沌としていた地上に光を与え、秩序をもたらしたのは唯一の創造者である主なる神です。ですから、すべてが終わったと思われる絶望の中で、なおも神を信じるならばそこから始まる希望があります。エレミヤが聞いた主の言葉は「いやしと治癒と回復」の約束です(6節)。

 イスラエルの民は、神に背いた罪のために自分の栄光のすべてを失いました。けれども、神はその罪を清めてすべての反逆と罪を赦すとお告げになります。さらに、国の繁栄を取り戻し、再び活気の満ちた世界を再現してくださると言います。神が定めておられるその日、その時には、ダビデの若枝による支配によって公平と正義が実現する。この約束に期待をかけた真の信仰者がイエス・キリストの内に預言の成就を見たのでした。

 

 【祈り】

 預言者に真実をお告げになった創造主なる御神、主のご支配による真の平和を世界に実現してください。

牧野 信成(長野まきば教会)

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