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マルコ6章30-34,53-56節
「飼い主のいない羊を憐れまれる主」


イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。
(マルコ 6章34節)

 舟で出発した主イエスを追いかけて、大勢の群衆が湖の向こう岸までやってきました。後から追いかけて来たのではなく、先回りをして待ち構えていました。この群衆を、イエスは「飼い主のいない羊のようだ」と形容されました。

 飼い主のいない羊は、自分で草も水も見つけることはできません。すぐ迷子になって群れから離れ、簡単に狼や獅子の餌食にされてしまいます。主イエスを待ち構えていた人たちも、貧しくて明日食べるものにも困っていました。病に倒れ、周囲の人との交流も断たれていました。強い立場の人から喰い物にされていた、その群衆を、主イエスは深く憐れまれたのです。

 その有様は、私たちも同じです。明日の食べ物、着る物といった経済的な不安を抱いてしまいます。多くの病気に効果的な治療が施されるようになりましたが、病に罹ることのつらさは同じです。周囲の人とのコミュニケーションは困難を極めます。マウントを取り合い、暴力の支配が人間関係を縛り付けます。そのような私たちを、主イエスは深く憐れまれ、いろいろと教えてくだるのです。

 主の言葉に耳を傾け、偉大な業に目を見張りましょう。この素晴らしい方に私たちは愛されているのです。

 

 【祈り】

 私たちのつらさを知って憐れんでくださる主に、すべてのことを打ち明け願うことができますように。

長谷川 はるひ(新潟教会)

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