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詩編55編
「逃げないで重荷を主に委ねる」


あなたの重荷を主にゆだねよ
主はあなたを支えてくださる。
(詩編 55編23節)

 明日の主の日に備えて与えられたこの詩編は、「神よ、わたしの祈りに耳を向けてください」という嘆きから始まります(2節)。祈っても祈っても、事態が変わらない、その悶えがここにあります。この詩編の著者とされるダビデは、神に逆らう敵が襲い掛かってくるという不安と悩みの中にあって狼狽えています(3~5節)。しかもそれはただの敵ではありません。「だが、それはお前なのだ」(14節)、とその正体が示されているように、それは、過去、共に主なる神に仕えた信仰の友でありました(15節)。ダビデは、この非情さに、たとい辿り着く場所が荒れ野であっても逃げ出したい、と自問自答しています(7~9節)。

 しかし、ダビデが、この祈りの中で与えられた最終的な回答は、「あなたの重荷を主にゆだねよ、主はあなたを支えてくださる」であったのです。私たち信仰者にとって大切なことは、重荷を残して逃げ出すことではなくて、その重荷を主に委ねることなのです。そのとき、重荷は重荷ではなくなるからです。

 そればかりか、「主はあなたを支えてくださる」と御言葉がいうとき、重荷だけでなく、その重荷に苦しむこのわたし自身が、主なる神に支えられている、担われている、と約束されているのです。

 

 【祈り】

 主なる神様、すべての重荷をあなたに委ねる信仰者に変えてください。

新井 主一(高島平キリスト教会)

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