月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年6月 3日(木)

ヨブ31章 人の不幸を見て

  

わたしを憎む者の不幸を喜び
彼が災いに遭うのを見て
わたしがはやしたてたことは、決してない。(ヨブ31:29)

 ものごとを評価するとき、チェックリストを用いることは有用です。ヨブは、これまでの自分の人生を、悪徳リストを挙げて確認します。そのリストは神の義に照らして考えられたものと言えるでしょう。ヨブは、貪欲、姦淫への誘惑、弱い者への無関心や権利の否定、財産への過信などを順に挙げながら、その度にそうした悪徳を犯したことは「決してない」と強く否定します。

 たとえばヨブは、「わたしを憎む者の不幸を喜び、彼が災いに遭うのを見てわたしがはやしたてたことは、決してない」と言います。確かにそれは、「互いに愛し合いなさい」との神の掟に真っ向から反する大きな罪です。しかし、人の不幸を喜ばなくても、自分が当事者でなくて良かったと考えることなども、同じように神の御心に反します。悪徳リストでは捉えきれない、隠されていて深刻なものが、罪なのです。

 しかし、イエス・キリストは、そうした罪を他人事とはなさいませんでした。そして自分の罪を自覚すらできない私たちの身代わりになってくださいました。ヨブの苦しみの向こうに救い主の姿を見ることができます。

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