月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年1月30日(土)

サムエル下18章 偏った愛情が生む悲劇

  

「あなたは我々の1万人にも等しい方です。今は町にとどまり、町から我々を助けてくださる方がよいのです。」(サムエル下18:3)

 反乱軍と戦うダビデは、当初自身が先頭に立って出陣しようとします。兵たちは、王の命こそ守らなければならないと、王を後方に留めます。この忠実な兵に対して、ダビデは彼らの命ではなく、敵対する息子アブサロムの命を心配します。後に勝利が伝えられた時も、ダビデが心配するのはアブサロムのことばかりでした。ダビデの愛情は実に偏っています。

 一方のアブサロムは、フシャイの策略に乗って自ら前線に出ます。そしてこれが命取りになります。戦いはダビデ軍の一方的な勝利に終わりました。敗走するアブサロムは髪の毛が木にからまり、宙吊りになってしまいます。

 兵たちは、王の命令を守ってアブサロムを保護しようとします。しかし、将軍ヨアブは自ら王子の命を奪います。反乱者を見逃さない判断はダビデより冷静かもしれません。しかし、ヨアブはヨアブで、ダビデ王と自分の立場だけを求める人物です。彼の愛情も偏っていると言わざるをえません。

 人の愛情は偏り、その偏りが悲劇を生みます。偏ることのない愛、神の愛こそ私たちを生かすのです。

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