月刊誌リジョイス 聖書日課 2021年1月 6日(水)

サムエル下3章 神と民に選ばれた王は忍耐で召しに応える

  

サウル王家とダビデ王家との戦いは長引いたが、ダビデはますます勢力を増し、サウルの家は次第に衰えていった。…「わたしは油を注がれた王であるとはいえ、今は無力である。あの者ども、ツェルヤの息子たちはわたしの手に余る。悪をなす者には主御自身がその悪に報いられるように。」(サムエル下3:1,39)

 サウル王家に激震が走ります。司令官アブネルがダビデ側に寝返ったのです。王イシュ・ボシェトとの諍いが原因でした。アブネルはダビデを全イスラエルの新しい王に立てるべく動きます。ダビデに警戒する素振りは見えません。一つ、サウルの娘ミカルを連れて来ることを条件にアブネルを受け入れます。ミカルはダビデのかつての妻でもありました。若き時代の恋心を思い出したのか、サウルの娘を手元に置くことでイスラエルの王としての正統性を欲したのか。いずれにせよ、ダビデに好機が舞い込んできたことに違いありません。

 しかし、その事態を快く思っていない人物がいました。ダビデ軍司令官ヨアブです。ヨアブは先の戦いでアブネルに討たれた若者の兄でした。ヨアブは秘密裏に弟の敵討ちに動きます。ダビデは蚊帳の外にあり、その計画を阻止することができません。ヨアブが強い力を持っていたからです。ダビデの忍耐は続きます。ダビデは王でありながら、その力を発揮できません。彼は耐えることで、神の召しに応えます。今はまだそういう時でした。

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