月刊誌リジョイス 聖書日課 2020年11月 5日(木)

ヨナ4章 命あるものを惜しむ神

  

「お前は、自分で労することも育てることもなく、一夜にして生じ、一夜にして滅びたとうごまの木さえ惜しんでいる。それならば、どうしてわたしが、この大いなる都ニネベを惜しまずにいられるだろうか。」(ヨナ4:10-11)

 4章で、ようやくヨナが神から逃げた理由が明らかになります。それはニネベの人に神の言葉を語りたくなかったからです。ニネベを都に置くアッシリアは、イスラエルの敵の国です。ヨナはイスラエルに敵意を向ける国など滅びてしまえばいいと思っていました。そのため、ヨナにとって、ニネベの人々が悔い改め、神が裁きを思い直されるという事実は、大いに不満でした。ヨナの考え方は非常に民族主義的です。自分たちだけが救われると思っていたのではないでしょうか。

 しかし、神の御心は正反対でした。ヨナ書の最大のメッセージは最後の神の言葉です。神は一夜で枯れたとうごまの木を惜しんでいたヨナに語りかけました。「どうしてわたしが、この大いなる都ニネベを惜しまずにいられるだろうか」。

 ヨナの視線は民族主義的でしたが、神の視線はもっと広いのです。たとえイスラエルに敵対するアッシリアであろうと、神は命ある人間が悔い改め、御自身に立ち帰ることを望んでおられます。ヨナ書に示されている命あるものを惜しむ神の愛は、やがてイエス・キリストによって、私たち異邦人に注がれることになります。

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