月刊誌リジョイス 聖書日課 2020年10月 7日(水)

雅歌3章 揺れ動く愛

  

起き出して町をめぐり
通りや広場をめぐって
恋い慕う人を求めよう。
求めても、あの人は見つかりません。(雅歌3:2)

 一緒にいるはずの「恋い慕う人」がいません。おとめは、起き出して、まるで不審者のように夜の町をめぐり歩きます。いくら探しても見つからない。そうこうしている内に夜警に見つかり、苦し紛れに質問をする。途端、若者が見つかると、むんずとつかんで引き返し、母の家へと(結婚するために)連れて行く。

 そうかと思うと、一転、壮麗な花嫁行列に場面が変わります。栄華をきわめたソロモン王の婚礼シーンです。

 何とも現実離れした、まるで彼女が見た夢か幻を語っているようです。いったい、どこからどこまでが現実で、どこからが幻なのでしょう。

 おそらく、ここには、結婚前後の複雑な女性の心象風景が描かれているのではないでしょうか。

 関係が深くなればなるほど、相手を失うことの不安に駆られる。時には、力づくで相手を結婚に導こうとさえする。そうして迎えた結婚式では、逆に、まるで王様の妃になったかのような幸せを感じる。

 愛は単純ではありません。愛する思いが強くなればなるほど、不安と喜びの間を大きく揺れ動くものです。

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