この章の焦点はレビ人の言動です。旅先でならず者に押しかけられると、側女を外に押し出して自らは中にこもり、側女への暴行を許してしまいます。翌朝レビ人がようやく玄関を開けると、側女が倒れていました。呼びかけても返事はありません。レビ人は故郷に戻ります。そこで丁重に側女を葬ると思いきや、その体を12の部分に切り離し、イスラエルの全土に送り付けてしまいます。そして、「ギブアの首長たちが自分を殺そうとし、側女を辱めた」と訴えました(20章4節以下)。自分が側女を外に押し出したことには口をつぐんで。イスラエルの人びとは「こんなひどいことは今まで見たことがない」とベニヤミン族に対して憤り、戦闘に突入してしまいます。「イスラエルの人々がエジプトの地から上って来た日から今日に至るまで、このようなことは決して起こらず、目にしたこともなかった。」(士師19:30)