月刊誌リジョイス 聖書日課 2018年4月12日(木)

創世記37章 神は密かに働かれる

ヨセフがやって来ると、兄たちはヨセフが着ていた着物、裾の長い晴れ着をはぎ取り、彼を捕らえて、穴に投げ込んだ。その穴は空で水はなかった。(創世記37:23-24)

 ヤコブは、兄弟たちのなかでヨセフだけを溺愛し、兄たちは次第にヨセフを妬み、憎むようになります。ヨセフは、父や兄たちが自分を拝むようになるという夢を兄たちに語り、兄たちにひどく憤慨されます。

 夢は、当時、神の啓示の手段とされていました。夢を兄たちに得意げに語るヨセフ、また夢を嘲る兄たち(19、20節)、双方に生ける神への畏れは見られません。その後、ヨセフは父の使いでドタンの荒れ野で羊の群れの世話をしていた兄たちのもとに行き、そこで事件が起こります。兄たちはヨセフを穴に突き落として殺そうとします。しかし、土壇場でヨセフの命は失われず、エジプトに売られることになります。

 信仰の家が神に背き離れることによって崩壊する様が描かれており、ここを読む時、暗澹たる思いになります。しかし、創世記は同時に、人間のどうしようもない罪の悲惨の中で密かに働かれる神がおられることをここで語っています。「穴は空で水はなかった」ことが、そのしるしの一つです。神は今も私たちの間で確かに生きて働いておられます。

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