月刊誌リジョイス 聖書日課 2010年10月3日(日)

詩編72編 為政者のための祈り

王が助けを求めて叫ぶ乏しい人を
助けるものもない貧しい人を救いますように。
弱い人、乏しい人を憐れみ
乏しい人の命を救い
不法に虐げる者から彼らの命を贖いますように。
王の目に彼らの血が貴いものとされますように。(詩編72:12-14)

 イスラエルにおいて、王は神の代理的統治を担う器として期待されていました。それゆえ預言者たちは、神の正しい支配を地上に来たらせるような統治を、歴代の王に要求したのです。本詩でも、全く理想的な王の統治が祈り求められています。正しい裁き、平和、救い、諸国の服従、民らの賛美。これらの言葉は通常、神にのみ、ふさわしいものであり、地上のいかなる王も、完全にこれに見合う者はいません。

 しかし私たちは、このような理想の統治が、主イエス・キリストという王において到来したことを知っています。それは、すでに始まっている現実であって、私たちはこの真の王を通して創造される、新しい時代を望み見ることがゆるされています。それゆえに、私たちは、現行の政治に失望しません。この詩編に歌われる高い政治理念が実現されていないからといって、自暴自棄になることもなく、無責任にもならず、為政者たちのために、日々、この祈りを神にささげることができます。

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