左/ 救急外来スタッフ(下段右から3人目が筆者)
右/ 病院建物とドクターヘリ
Q どのような仕事をしておられるのですか
A 高知県にある高知医療センターの救命救急センターで看護師をしています。救急車やドクターヘリで運ばれて来る患者さんが最初に来る部署で働いています。運ばれて来る患者さんの多くは命の危機に直面しており、速やかな治療が最優先されます。そうした状況で私たちは、可能な限り患者さんの苦痛を和らげ、不安を軽減して安全かつ迅速に治療することができるようにしています。
Q 仕事を始めるきっかけは何でしたか
A 高校卒業後、大学進学のために1年浪人をしました。その時に多くの人に直接関わる仕事がしたいと思うようになりました。福祉関係など様々な職種を考えましたが、看護師が最も助けを必要とする人の支えになるのではないかと考えました。
Q どのような聖書の御言葉に励まされていますか
A 民数記6章24〜26節の「主があなたを祝福し、あなたを守られるように。主があなたに御顔を向けてあなたを照らし、あなたに恵みを与えられるように。主が御顔をあなたに向けて、あなたに平安を賜るように」という聖句は祝祷で唱えられる箇所であり、よく知られた聖句ではないでしょうか。毎週、礼拝の最後にこの聖句を祝祷で聞くことによって、新しい週も神様の守りと恵みの中で生活できる安心を与えられます。そして、とくに「御顔を向けて平安を賜るように」という御言葉によっていつも励まされます。国語辞典によると平安とは無事で穏やかなことだそうです。仕事柄、患者さんの最期に立ち会うことがありますが、穏やかに迎える方もいればそうでない方もいます。いずれにしても、そうした状況に立ち会うと穏やかにはいられません。しかし、神様が御顔を向けて私を照らし恵みと平安をくださることを確信すると、自然と穏やかになれます。そして、残された遺族の方々にも慰めがあるようにと祈れるようになります。
Q 信仰者として心がけておられることがありますか
A 自身の名前から、「クリスチャンですか?」と言われることが同僚、患者さんを問わずあります。よく話を聞くと、「何となくそんな感じがして、名前を聞いてそうじゃないかと思って」という返事が多いような気がします。理由はよくわかりませんが何か他の人とは違う様子を感じているのだと思っています。現代社会では、宗教というと怪訝な顔をしたり距離を置いたりすることが多いですが、周囲の人たちに安心感を与えることができるクリスチャンであるよう心がけています。
Q 活動をとおしてどんなことを目指しておられますか
A 患者さんの身体や心の問題に対して、私たち医療者は医学的な視点で捉えて対処します。これは医療として基本的な姿勢であり重要です。しかし、患者さんの苦痛の原因は単に病気(=体の異常)だけではなく、患者さんを取り巻く背景に由来することがあります。そうした部分にも目を向けて、患者さんの人柄、生活背景などを理解することで、その人に最も合う方法で苦痛を和らげ、病気と向き合うことを援助できる看護師でありたいと願っています。
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