キリストへの時間 2025年1月5日(日)放送

申成日(広島教会牧師)

申成日(広島教会牧師)

メッセージ: 導いてくださる神の愛

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。広島教会で牧師をしております、申ともうします。
 新しい年が明けましたが、今年は皆さんにとって、どのような年にしたいですか。いろいろと願っておられることがあると思いますが、そのような願いが叶えられたらいいですね。

 さて、今日から1か月間は、リスナーの皆さんと「神の愛」について共に考えたいと思います。今日は、「導いてくださる神の愛」について考えます。

 旧約聖書の中で、「ヨセフ物語」(創世記37章、39-46章参照)が出てきます。このヨセフは、ヤコブという人の12人の息子の中で、11番目の息子でした。ヤコブには、4人もの妻がいて、ヨセフは、その4人のヤコブの妻の中で、ヤコブが一番愛していたラケルから生まれた子です。彼の唯一の弟であるベニヤミンも、ラケルから生まれた子です。

 ヨセフは、父ヤコブに特別に愛されていました。兄たちは、そのようなヨセフのことを妬んでいました。ある日、父の使いでやって来たヨセフを、兄たちは、通りかかった商人に売ってしまいます。結局ヨセフは、エジプトの高官の家に奴隷として売られました。

 ヨセフは、何か悪いことをしたわけではありませんが、父の愛に対する妬みによって、大変悲惨な生活を強いられました。しかし彼は、奴隷の身分でありながらも良く働き、また、神様が与えてくださった知恵を用いて、エジプトの王にも信頼されるようになり、結局は、エジプトの総理大臣まで登ることになります。

 ヨセフがエジプト全域を治めていた頃、周辺には大きな飢饉が訪れました。ヤコブの家族も、食べ物が底をつきましたので、エジプトに食べ物を求めてやってきました。そして、そこにおいて、ヨセフとその家族の劇的な再会が起こります。本当は、兄たちを恨んでもおかしくないヨセフですが、しかし、彼はそこにおいて、強い神の導きを悟ります。つまり、父と兄弟たちを救うために、神様が自分を先にエジプトに導いてくださったことを悟ったのです。

 ヨセフは、そのようにして、父と兄たち、家族全体をエジプトに来てもらい、彼らのために住まいを与えました。ヤコブの家族は、そのようにして、エジプトにおいて大きな民族に成長したのです。ことわざで、「災い転じて福となす」という言葉がありますが、ヨセフの場合は、本当にその通りで、彼が経験した災いがなかったならば、その家族を救うことはできなかったと思います。

 この聖書の物語と、「災い転じて福となす」ということわざが違うところは、その背後には、神様がおられたことです。神様は、ヨセフの父親であるヤコブに、大きな祝福の言葉を約束してくださいました。それは、彼を通して大きな民族を造る、という祝福の約束です。神様は、彼の息子ヨセフを通して、その約束を実現してくださったのです。

 神は人を愛する方です。神は、御自分が直接造られた人を特別に愛し、人が幸せに生きることを願っておられます。そのようになるためには、この世を造り、支配しておられる神に礼拝し、神の心に生きることを求めておられます。

 そして、そのように生きる人々が正しい道へと歩むことが出来るように、神は導いておられる方です。今はとても悲しくて、辛い時を過ごしているかもしれませんが、神を信頼して歩む人々には、必ず神様が喜ぶ道へと導いてくださいます。

 親が愛する自分の子の喜びと幸せを願っているように、人の喜びは、神の喜びでもあります。わたしたちが神の愛を知り、神に従って生きることが出来るように、わたしたちの人生を神に委ねましょう。神は間違いなく、わたしたちを喜びへと導いてくださると信じます。



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