キリストへの時間 2022年12月4日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

申成日(広島教会牧師)

申成日(広島教会牧師)

メッセージ: 聖誕を待つ人々1(羊飼い)

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。広島教会の牧師、申ともうします。
 いよいよ早くも12月になりましたが、これから4週間、聖誕を待つ人々という題で、聖書の中でイエス・キリストの誕生を待っていた人々の話をさせていただきます。

 時はすでに、イエス・キリストが誕生した後のことです。生まれたばかりのイエスは、飼い葉桶に寝かされていました。このイエスが生まれたことを一番先に知らされたのは、「羊飼い」です。

 夜通し野宿をしながら羊の番をしていた羊飼いの前に、突然、天使が現れました。そして、天使は羊飼いたちに、「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」(ルカ2:10-12)と言ったのです。

 当時の羊飼いは、市民権を持たない卑しい身分の人々でした。そのような羊飼いに、神の御使いが現れたのです。羊飼いたちは、信仰深い人たちだったでしょうか。あるいは、彼らは、この天使が告知しているように、救い主を待っていたでしょうか。残念ながら、聖書からは、そのような羊飼いの様子を伺うことが出来ません。

 天使たちは、この誕生の告知が、「民全体に与えられる大きな喜び」と言っています。しかし、それを伝える相手は、「民全体」ではなく、「羊飼い」でした。国を代表する人であれば、王もいるし、政治家、学者、宗教指導者たちもいるはずです。けれども、天使は、なぜか「民全体」に知らせることに卑しい身分の「羊飼い」を選びました。

 なぜ羊飼いだったでしょうか。それは、彼らこそ、この話を「聞くだけで信じた人たち」だったし、その言葉だけを信じて、急いで飼い葉桶に寝かせた赤ん坊を探し当てる熱心さがあったからです。そしてまた、彼らは、探し当てた赤ん坊のイエスを拝見し、そのことを人々に語り伝え、喜びながら神を賛美した人だったからです。

 神は、多くの救われる人々の代表として、彼らを選び、真っ先に救い主の誕生を彼らに知らせました。そして、彼らは、その感激を人々に知らせ、さらに喜びと感謝をもって、神をほめたたえたのです。彼らはそうすることによって、完全に、キリストの降誕を自分たちのものにしました。「自分たちのように卑しい存在とは何の関わりもないことだ」と思ったのではなく、まさに、自分たちのための救い主の誕生であることを感謝しました。だから、彼らには、喜びがあり、感謝があり、神をほめたたえることが出来たのです。

 わたしたちが、このクリスマスになると、よく口にする聖書の言葉があります。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」(ルカ2:14)。ある人々は、それは「真っ赤な嘘だ」といいます。「何が平和なのか、この世界は、いまだに戦争が絶えないじゃないか。恐ろしい犯罪が昔よりももっと増えているのではないか。クリスマスなんかない方がずっといいじゃないか」と言います。

 しかし、よく聞いてください。聖書は、「地には平和、御心に適う人にあれ」、キリストによる平和は、誰にも与えられるわけではありません。その平和を得ることの出来る人は、御心に適う人です。「キリストの誕生が自分のものである。キリストの誕生がわたしたち罪人の救い主の誕生である。」と信じる人だけが得られる喜びであり、平和であります。

 まことに主イエスの誕生を待つ人は、だれでしょうか。それは、その御心に適う人、イエス・キリストを救い主として受けいれる人なのです。わたしたちは、そのような者として、この主の降誕を大いに喜び、感謝し、主をほめたたえながら迎える者になりたいと願います。



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