キリストへの時間 2022年10月23日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

久保浩文(松山教会牧師)

久保浩文(松山教会牧師)

メッセージ: 孤独を癒して下さる主イエス

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。松山教会の久保浩文です。
 私たち人間は、一人では生きる事のできない存在です。いや、そうではない、自分は人間関係の煩わしさ、気遣いに疲れている、むしろ一人で自由に勝手気ままに生きていった方が、余程気楽で良いと思っておられる方もいるかもしれません。しかし、まわりを見まわし、よく考えてみると、人は誰しもが誰かとつながりをもち、誰かの支えを得て生きているのではないでしょうか。

 人は神によって創造されましたが、本来、人は、人と人との交わり、支え、つながりの中で生きるように造られました。家族の中でのつながり、学校や職場の中の繋がりなど、人は、社会の中で生きざるを得ないようになっています。様々な仕事や行事に参加して協力し合ったり、一緒に汗を流したりしている内に、普段の付き合いではわからなかった面を、お互いに発見するようなこともあるでしょう。お互いをより深く理解し、場合によっては、家族の兄弟姉妹以上に、強くて深い絆を築くことができる場合もあります。私も、これまでの人生を振りかえってみて、実に多くの友人、知人、信仰の友との関わりの中で生かされてきました。良い友人は、一生の宝物です。

 しかし数年前に、世界的な規模で感染が拡大した新型コロナ・ウイルスの影響は、私達の日常生活、ごく身近な人とのつながりさえ大きく変えてしまいました。一時期は、身近な人と会う、会話をすること自体が感染リスクを高める、という理由で憚られるようになりました。幸い、ワクチン接種が行き渡り、以前と比べると安心して交流ができるようにはなりましたが、シーズンによって人流が多くなると、感染者数が一気に増加していることも事実です。一人暮らしの方や高齢者の方々にとっては、以前にも増して外出すること自体が億劫になり、人との会話、交流から遠ざかり、ますます孤独感を深めておられるのではないでしょうか。

 かつて、主イエス・キリストは、社会から疎外されている人、孤独感を感じている人、貧しい人、弱い人たちの所を努めて訪れました。イエスは、彼らと語らい、食事を共にすることによって、これまで心を頑なに閉ざしていた人や、過去に犯した罪の重荷に喘いでいる人の心を癒し、慰めを与えました。イエスは、御自分の下に、人生の様々な重荷を下ろしなさいと招いておられます。また、イエスは、「渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その人の内から生きた水が川となって流れ出るようになる。」(ヨハネ7:37-38)と招いておられます。

 私達は、この地上の仕事の成功や幸福な人生の最中で、ふと魂の孤独や虚無感、心の飢え渇きを感じることがあります。喉の渇きは、水分補給で一時的に癒されるでしょう。肉体の空腹感も、食物を口にすることで解消されるでしょう。また、私達の感情を喜ばせ、知識欲をみたしてくれるものは数多くあります。

 しかし、人の魂の奥深いところの飢え渇きは、物質的なものや世間的な名声では満たされることはありません。いわゆる人間的なものでは、根本的な解決を与えてはくれません。主イエス・キリストの与えて下さる御言葉の水は、私達の魂、心身の疲れを癒して下さり、新しい命と明日に向けて生きる希望と喜びを与えてくれます。さらにイエスの与える水は、その人の内で泉となって、永遠の命に至る水が、こんこんと湧き出でて、枯れることがないのです。

 主イエスは、私達の心の扉の前で待っておられます。「見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう。」(ヨハネ黙示録3:20)



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