ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井良一です。
聖書には、マルタとマリアと言う性格が対照的な姉妹が登場します。働き者で、自分が思ったことをすぐに口に出す姉のマルタと、いつも静かに物思いにふける妹マリアです。
実は、この姉妹には、もう一人ラザロと言う兄弟がいました。ところが、ラザロの性格や彼の詳しい身の上は、聖書のどこにも語られていません。聖書は、このラザロがある日病気になって、看病の甲斐もなく死んでしまったことだけを伝えているのです。しかも、イエスさまがやって来た時に、すでにラザロの遺体は、3日前に墓に葬られていて、体は腐り始めていたというのです。しかし、イエスさまは、このラザロを生き返らせるという驚くべき奇跡を、そこで示してくださったのです。
このお話には、後日談があります。ある宴会の席で、このラザロがイエスさまの近くに座っているのを見て、イエスさまを憎む者たちが、彼を殺そうと計画を立てたと言うのです。なぜなら、ラザロが生きているだけで、イエスさまのすばらしさが人々に分かってしまう、と考えたからです。ラザロは、病気で死ぬほか、自分では何もできませんでした。しかし、そんな彼は、イエスさまの御業によって、だれよりもイエスさまのすばらしさを証しする者とされたのです。
聖書の言葉「イエスがそこにおられるのを知って、ユダヤ人の大群衆がやって来た。それはイエスだけが目当てではなく、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロを見るためでもあった。」ヨハネによる福音書12章9節です。