櫻井良一（東川口教会牧師）

メッセージ： 一番大切なものはなにか

　ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井良一です。
　聖書には、マルタとマリアという性格が対照的な二人の姉妹が登場します。姉のマルタは、活動的で世話好きな女性です。それに対して、妹のマリアの方は、どちらかと言うといつも物思いにふけるような静かな女性でした。

　ある日、この二人の家に、イエスさまがやって来ました。姉のマルタは、イエスさまや他のお客さまをもてなすために忙しく働きます。ところが、妹のマリアはと言うと、何もしないでイエスさまの前に座って、そのお話を聞いていたと言うのです。

　このあとマルタは、妹のマリアが自分を手伝わないことに腹を立て始めます。そして、イエスさまに「マリアを何とかしてほしい」と文句をつけたのです。するとイエスさまは、マルタに「あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つである」と言ってくださったのです。

　マルタがイエスさまたちをもてなそうとしたことは、悪いことではありませんでした。しかし、マルタは、世間の評価や妹と自分を比べることに心を乱していたのです。だから、彼女はまず、イエスさまの言葉に耳を傾ける必要があったのです。そうすればマルタも喜びに満たされて、心からイエスさまをもてなすことができたはずだからです。

　イエス・キリストの言葉「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」ルカによる福音書10章41節から42節です。