いかがお過ごしでしょうか。国立聖書教会の野島邦夫です。
「人のいのち」について考えています。人間も他の生物と共に、無生物と共通するモノの側面があります。人体も、化学的に言えば様々な物質からできており、水が3分の2を占めます。それらは結局三十数種類の元素からできています。多い順に、酸素65%、炭素18%、水素10%、窒素3%など。
想像してみましょう。いつの日にか、科学が発達してこれらの諸元素から人体の各パーツが人工的に造られるようになったとします。それらを現実の人体の通りに組み合わせて繋げば、生きた人間になるのでしょうか。これは、機械を作る際、部品を作ってつなぎ合わせれば、その完成品が目的の機械として動き出すと言うのと同じです。実際そう考える人は大勢います。これなら、人間と他の生物、さらに無生物との境はなくなります。
もう少し丁寧に言って、人工人体の完成品に燃料を注入してスイッチを押せば、生きた人間になるのでしょうか。これなら、人間や生物とモノとの違いが説明できそうです。遺伝子DNAの違いを予め人工的に作っておけば、個性の違いも出てきそうです。
しかし、何か違う、と私の心は訴えます。これは個性を持つロボットです。せいぜい外からの刺激に様々に反応するだけです。内から生まれる自由と喜びはありません。