櫻井良一（東川口教会牧師）

メッセージ： どんなことにも対処できる秘訣

　ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井良一です。

　昔、ギリシャやローマの世界で活躍したストア派の哲学者たちは、人々に「いついかなる場合にも対処できる秘訣」の大切さを説き、その方法を教えました。彼らの教えた秘訣を簡単に言えば、問題を起こさせるような原因からなるべく自分を遠ざけるようにと言うものでした。だから彼らは人々に禁欲主義の道を教えたのです。
　確かに毎日、何もしないで暮らせるなら、問題に巻き込まれるケースも少なくなるはずです。しかし、たとえば人里離れた場所で隠遁生活を送れるならともかく、この社会で積極的に生きようとする人には、「何もしないで暮らす」と言うこの秘訣はほとんど役にはたちません。

　キリストの福音を伝えるために積極的に生きたパウロと言う人物は、ストア派の哲学者たちとは違う秘訣を持っていると語りました。それは彼の伝えた福音の中心であるイエス・キリストの存在です。イエスは彼を信じる人と共に生きて働いてくださる方です。
　だから、もし私たちが自分の力で対処できないような困難に出会ったとしても、それに対処できる力をイエスはその都度与えてくださるのです。「イエスが私たちの人生を導いてくださる」。これこそパウロが教えた秘訣であると言えるのです。

　聖書の言葉
　「わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です」フィリピの信徒への手紙4章13節

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