いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
皆様は「バルメン宣言」を御存じですか。二十世紀で最も重要な、ドイツで作られたプロテスタント教会の信仰告白です。信仰告白とは、神に対する信仰の誓いを文書化したものです。代表例が使徒信条です。第二次世界大戦の前、信仰的に目覚めていたクリスチャンたちの群れ、告白教会は、ナチ政府の支配と闘っていました。その導きの旗として決められたのが、全六か条のバルメン宣言です。
今日は第一条を学びます。要約すると、「イエス・キリストは唯一の神のことばである」です。この世界では、様々なものが神、神を顕すものになりがちです。自然も神を顕します。しかし、その事はキリストを通してのみわかります。それ以外の時、自然界の様々なものが神になりがちです。神はただ一人。神を顕すもの、「神への道」はキリストのみですのに。これを信仰者でも時に見失います。
当時ドイツでは、ナチ政府がドイツを救う神的権威をもつものと自称し、それに対し告白教会はこの第一条を突き付けて闘いました。
現代日本で「神に成り代わるもの」とは何でしょうか。もう迷信の時代ではないと言われますか。では「気付かないうちに人の心を支配するもの」と言い換えて下さい。例えば「流行」に何となく呑み込まれていませんか。自分を委ねてよいのはキリストのみですのに。