いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
1889年に亡くなったダミアン神父の写真も、当時、写真技術が既に確立されていて、少数ですが幸いにも残っています。
死の前日写した写真があります。ベッドに横たわりこちらを向いています。しかしひどく損傷した顔面は、激しい苦痛に歪んでいます。この病気は身体の外的な損傷だけではなく、神経が侵されて、しばしば激しい痛みをひき起こします。ハンセン病患者という隣人のために、喜んで自分を捧げたダミアンですが、自分の病気に無頓着だったのではありません。徐々に損なわれていく身体、激しい痛み、もう親兄弟とも会えないという大きな悲しみ。あらゆる治療を試みました。「モロカイ島の英雄」と呼ばれましたが、苦痛や不安を超越していたのではありません、彼も一人の人間でした。
ダミアンの最も有名な写真は、長く患ったあと死の前年撮られた司祭服をまとった上半身写真でしょう。わたしは初めてこの写真を見た時、健康な頃と比べて彼の外見のあまりの変わり様に、しばらく目が離せませんでした。「彼の姿は損なわれ、人とは見えず、もはや人の子の面影はない」というイザヤ書の言葉が思い浮かびました。
しかし、わたしは彼の手記をすでに読んでその心を少し知っていましたから、しみじみ思いました。どんなに外見は損なわれていようと、この中には天使が宿っている。