熊田なみ子のほほえみトーク 2013年12月10日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

キング牧師の力強い言葉

 今日は何の日でしょう?キング牧師がノーベル平和賞を受賞した記念日です。1964年12月10日受賞(日本では東京オリンピック開催)。その1年前、1963年8月28日、有名な「私には夢がある」の演説をワシントン大行進で行いました。この言葉は今では世界中誰でも知っている言葉となりましたが、「キング牧師の力強い言葉」という絵本との出会いで言葉の中身を改めて確認しました(2002年11月・国土社)。
 以前、福山のホロコースト記念館を訪ねる機会がありました。2007年12月11日の番組(過去の放送データで聴けたり読んだりできます。)でお話しました。その時「なぜ、おきたのか?−ホロコーストのはなし−」(岩崎書店)もキング牧師の絵本と一緒に購入しました。子ども達が銃を向けられて連行されていく悲惨な写真と共に表紙には「歴史の教訓を学ばぬものはふたたび過ちをくりかえすだろう。」と記されています。つい先日12月8日は、真珠湾攻撃勃発、太平洋戦争が始まりました。過去の歴史から学ばなければなりませんね。そしてちょうど12月4-10日は「人権週間」です。「人権、全ての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」と言われ、生まれながら全ての人間が持つ権利と言われながら踏みにじられ痛ましい事件も起こり続けています。

 「世界人権宣言」は、1948年12月10日、つまり今からちょうど65年前にパリの国際連合で採択されています。アムネスティ日本支部(谷川俊太郎さんの言葉)が1990年に出版された子ども向きの絵本「世界人権宣言」にとてもわかりやすく1条から30条までが教えられています(金の星社・1990年初版)。ですから今日という日、あなたと一緒にこのような課題を心に刻むことが出来る日として覚えようと思いました。「考える自由」(18条)、「言いたい、知りたい、伝えたい」(19条)、「集まる自由、集まらない自由」(20条)、全てどれも大切です。この本を読みながらもう1冊思い出しました。今年5月7日のほほえみトークでご紹介した「子どもに伝える日本国憲法」(講談社・井上ひさし著)。これらの本、もう一度子ども達と一緒に読み、一緒に考えるきっかけとしたい絵本です。

 人種差別の悲しみの中で、キング牧師の「I have a dream」という力強い言葉は多くの人々に希望を与えましたね。「あのアラバマにおいてさえいつの日かきっと、おさない黒人の少年少女たちが、おさない白人の少年少女たちと、兄弟姉妹として手をとりあい、力をあわせる日がくるだろう」。抗議の行進は10年続き、ついに差別撤廃となっていきました。その始まりは1955年12月のある寒い日、アラバマ州、モントゴメリーの町で一人の黒人女性が、バスの座席を白人に譲らなかったための逮捕から始まりました。人々は心動かされ抗議のバスボイコット運動に続いていったのです。1964年7月にはついに公民権法が成立し、今日、12月10日にノーベル平和賞の受賞となりました。たった一人の女性の勇気から始まったのですね。私たち一人一人はどうでしょう?今の日本はどうでしょう?クリスマスを迎えるこのアドヴェントの時、本当に大切なことを心に刻みましょう。クリスマス、世界中に愛と平和が満ちる時でありたいですね。

聖書のみことば
 ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君」と唱えられる。(イザヤ9:5)

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