キリストへの時間 2013年9月8日(日)放送 キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

黒田朔(清和学園校長)

黒田朔(清和学園校長)

メッセージ: 日野原重明先生のこと

 皆さんお元気ですか。わたしは清和女子中高等学校の校長、黒田朔です。
 ハワイにある高知城、お城の教会として親しまれているマキキ教会から、昨年4月本物の高知城のある高知に、県下で唯一つのミッションスクール清和女子中高等学校に赴任してまいりました。
 朝のチャペルで、「高校生の時に聖書を信じる人生選んでごらん。70歳越えて、それでも嬉しい人生生きることができるから。」と話しています。

 さて今月は、「敬老の日」にちなんで、「素敵な年のとり方」と題してお話しています。
 元気なお年寄り、といえば誰もが思い出すのは101歳の現役ドクター、日野原重明先生だと思いますが、先生が提唱された「新老人の会」がハワイ支部を始めるというので、事務局のお手伝いをさせていただくことになりました。それがきっかけで、牧師引退間近のマキキ教会で、日野原先生が礼拝メッセージをしてくださったり、「ハワイで出会った素敵なクリスチャンライフ」という小さなわたしの本を読んでくださり、推薦をしていただくなど、親しくさせていただきました。

 先生を近く拝見していて気付かされることがたくさんありました。わたし達は「もう年だ」と年を気にし、年に縛られやすいですが、日野原先生は年を全然気になさらない。何年か前、4泊5日という日程でハワイにおいでになった時、到着の夜から集会、学会、講演会などで毎日が予定でびっしりでした。しかもお帰りの当日、午前中にマキキ教会で礼拝を守り、午後の便で帰国。30代でもそれはしんどいと思うような過密スケジュールをこなしておっしゃったんです。
 「黒田先生、わたしはいまだに老いを感じないのですよね。」100歳を越えて老いを感じないとおっしゃる力は「生きることへの意識」から生まれるものだなと感じました。先生はこう書いていらっしゃいました。「年を重ねたこの自分が未来を生きる人のためにこそあるのだと強く思われる今、子ども達を育てるために何が大切なのかを、子どもにも大人にも伝えなくてはならないと感じています。」この使命に向かって生きる日野原先生の姿に触れた時、41年牧師をして働いてきたんだから、ちょっとはゆっくりして…と緩みかけていたわたしの気持ちはシャキッとさせられたことを思い出します。

 ハワイでの日野原先生を通してすごいと思ったことは、仕事を楽しむこと。面倒くさがらないこと。好奇心が旺盛であること。人と会い、施設を訪問し、講演をし、その間に原稿を書く。わたしが先生に、マキキ教会がお城の会堂を持っていて、特別の歴史があるということをお聞かせすると、「もう何度もハワイに来ているけれども、お城の教会のことは知らなかった。案内してください。」と早速マキキ教会を訪ねてご覧になり、感動しておられた先生。その先生に、「オバマ大統領が卒業したプナホウ・スクールも近くにあるんです。」「じゃあ、それも見せてください。」100歳を越えてのこのネルギーにびっくりしました。他にもあります。日野原流のカロリーをぐーっと抑えた食生活や、わざわざ時間をかけずに運動をする。エスカレーター、エレベーター、動く歩道は一切乗らずに歩く。乗っている若い人を追い抜いては「やった」という小さな達成感を楽しむ。まあそういうお話を聞きながら思いました。これらは何でもみんな、誰でも気をつけてればできることばかりだ。日野原先生はそれを実践していらっしゃいました。

 先生に「先生、わたしも71歳になり、リタイアです。」と話しますと「これからですね。自由になった時こそ、本当の生き方が現れ、またできるんです。」そして、3つのアドバイスをしてくださいました。
 第1に、新しいことを始めなさい。第2に、目標になる良いお手本を見つけなさい。第3に、耐えることです。 この日野原先生から頂いた励ましもあって、73歳を迎えて校長先生をいま勉強中です。日野原先生の生きる力の源は、牧師の息子としての小さな時から教えられ親しんできた聖書です。聖書のことばに、伝道者の書12章1節があります。「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また『何の喜びもない。』と言う年月が近づく前に。」(新改訳)
 それではまた来週お会いしたいと思います。ごきげんよう、さようなら。

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