山下正雄（ラジオ牧師）

メッセージ： 赦すということ

　いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。
　イエス・キリストは人の過ちを赦すことについて、いろいろな機会に教えています。

　「もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦しになる。しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。」（マタイ6:14-15）

　そもそも、自分に悪を働いたものを赦す必要があるのだろうか、という根本的な疑問があると思います。悪に対してはそれにふさわしい処罰があってしかるべきです。それは正義と公平が求めるところだからです。しかし、自分に対して悪を働いた者が処罰されることで、自分の心が晴れやかになるかというと、必ずしもそうではありません。相手への憎しみから人の心は簡単に解放されるものではないからです。相手を赦したとき、人は憎しみから初めて解放されるものです。そういう意味で赦すことは大切です。
　しかし、イエス・キリストが人を赦すように勧める理由は、もっと別なところにあります。それは、自分自身の罪を赦していただくためです。いえ、神が寛大にもわたしたちの罪を赦してくださるからこそ、人の罪を赦すことを求めていらっしゃるのです。その神の慈しみに、一人ひとりが生きることをキリストは求めていらっしゃるのです。

　今日の言葉…「イエスは言われた。『あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。』」マタイによる福音書18章22節

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