あさのことば 2013年6月14日(金)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

佐藤紀子(上福岡教会執事)

佐藤紀子(上福岡教会執事)

メッセージ: 神様の慰め

 ご機嫌いかかですか。上福岡教会の佐藤紀子です。 わたしは現在、看護師として終末期医療に従事し緩和ケアを提供しています。

 実はわたしも夫を看取った遺族です。夫は慢性骨髄性白血病で骨髄移植を受けたのですが、1年後に間質性肺炎で召されました。夫は礼拝に出席していましたが、未信者でした。でも最後の入院のあるとき、いつものように病院に行くと「俺ね、夢の中でイエス様に会ったよ。すごく優しくて、あったかかったよ」と見たことのない穏やかな顔で話してくれました。子供が生まれてからずっと体調がすぐれず、仕事も休みがちだったので父親として回復を強く願い骨髄移植に踏み切りました。次男が生まれたとき、無菌室の中で対面は生後しばらく経ってからでした。その後も移植の副作用で胃腸がただれ激しい腹痛と下痢に悩まされ70キロほどあった体重が35キロにまで落ち込み鎮痛薬も十分効かず苦しんでいましたから、その時の穏やかな顔は本当に嬉しくて感謝でした。その少しあと呼吸不全となり、「うなぎ食べておけばよかった」が最後の言葉となり人工呼吸器につながれました。1ヶ月後桜の花が散り始めた頃、夫は29歳の生涯を閉じました。

 わたしは今でも召された時のことがまぶたに焼き付いています。
 危篤となり夜通し病院で待機してくださり、最後の祈りを捧げてくださった山中牧師。わたしたちのために暑い祈りを捧げてくださった方々のこと。冷たくなっていく夫の手足、直線になっていく心電図。死亡宣告の医師の言葉。26年経っても鮮明に覚えています。洗礼こそ受けなかったけどイエス様に抱かれ平安でいる夫が目に浮かびます。コリントの信徒への手紙二 1章4節に「神様はあらゆる苦難に際してわたしたちを慰めてくださる」とあります。苦難のなかにあっても、神様の慰めをいただき、希望を抱いて歩んでいきたいと願います。

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