今井献（東京教会牧師）

メッセージ： 共同体

　いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。

　渥美清さん主演の「男はつらいよ」という映画シリーズをご存じの方は多いと思います。確かに国民的な人気がありました。8月27日の朝日新聞にこの「男はつらいよ」を取り上げた記事がありました。
その中で、大学で教鞭をとっておられる吉村英夫という方が次のようなことを言っておられます。
　この映画を知らない学生が圧倒的多数になってきたが、授業でこの映画を見せると感動する若者の割合が確実に増えつつある。利便性を追求することの限界や無縁社会のむなしさに多くの人が気づくようになったからだと思います。清貧な暮らしぶりと共同体の温かさを描いた「男はつらいよ」は、今こそ見直されていい。

　なるほどなあと思いました。寅さんの映画には、隣近所や人情などがにじみ出るように描かれています。ひとり孤独に死んでいき、だれも引き取り手がいないというような、人との縁が切れつつあるのが現代の社会です。若者でさえ今の社会に息苦しさを感じるのでしょう。

　教会は隣近所のおつき合いというわけではありませんが、主イエスを救い主と信じる者たちからなる共同体です。この共同体は、互いに祈り合い、助け合うことでおよそ2000年続いてきました。
　教会に集う信者は、信仰という絆で結びついています。そして、週に一度礼拝に集まり、共に神をほめたたえ、互いの安否を尋ね合います。教会には、他のところでは得られない信仰者の交わりがあります。どうか教会に足を運んでください。

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