いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
マタイによる福音26章14節以下を読むと、イエス様の弟子の一人であるユダが祭司長たちの所に行き、銀貨30枚でイエス様を引き渡す約束をしています。このときからユダは引き渡すに良い機会をねらっていた、とも書いてあります。
その良い機会はどのようにおとずれたのでしょうか。17節以下を読むと、イエス様は、12人の使徒たちと過越の食事をしている中で、「あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている」とお語りになりました。ただし、この中の誰が裏切り者であるかについては、指摘なさいませんでした。しかし、ユダはびっくりしたはずです。また、ユダが計画を思い直す最後のチャンスであったはずです。
しかし、ユダは、知られているなら今すぐ祭司長たちを手引きするしかない、と考えたに違いありません。自身の悪を止めようとしなかったゆえに、ユダは、イエス様自身によって裏切る時を定められたといえます。
また、イエス様は、過越の食事をしている中で、「わたしの時が近づいた」(マタイ26:18)と語っておられます。わたしの時とは、十字架にかかってメシアとしての使命を果たすべきときです。その時をよく知っておられたので、わたしを裏切る者がいるとおっしゃったのです。
イエス様は、人の目には弟子の一人に裏切られて十字架で死んだ失敗者のように見えても、ご自身から、十字架に向かって進んで行かれた救い主であられました。どうか、わたしたちのために自らを十字架にかけてくださったこの救い主を信じてください。