熊田なみ子のほほえみトーク 2008年7月29日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会107「一つの損、一つの約束」
(「母と子の聖書旧約上」7章)/
あなたとわたしの生きてる時間 「母と子の聖書」について
キャスリン・F・ヴォス(著者) 有賀英子・深江真智子(訳者) 小峯書店発行・現在絶版

 この「母と子の聖書」は、ある家族の歴史と関係があります。というのは、この物語は、先ず私の母が幼い頃、祖母から聞かされたものです。それから母は私に、ついで私は娘にといった具合に、語り継ぎました。娘もやがて、自分の子供たちに、この物語を語り伝えることでしょう。

 私と兄弟たちが成長して、自分でも聖書物語を読みたいと思った時、母は、霊感に満ちた神の言葉に忠実であり、しかも物語としての盛り上がりと人間的なあたたか味を備えた素晴らしい聖書物語を、店先に探し求めたそうです。探しあぐねた末、母は、今までに出版されたものの中には、この種のもののないことがわかりました。それから母は、静かに座って、自分で書くよりないと心に決めたのです。

 それはまことに年月を要する仕事でした。私がグランド・ラピッズのカルヴァン大学に入学した頃も、母はまだ書き続けていました。愛する父はそこの神学教授でした。また、その土地には、私の先祖たちが今も永眠しております。学校の休みで、プリンストンの我が家に戻るたびに、母が相変わらず、聖書物語の執筆にせわしくしていたのを知っています。母は、毎日毎日、家庭内の繁雑仕事を片付けては、自分の聖書とペンとノートを抱えて二階のポーチにひきこもり、一人でペンを走らせていました。私はといえば稚さもあって、母の手なぐさみ程度、母がする日常の庭の手入れや年寄りや病人のお見舞いなどと同じようなことだと思っていました。

 しかし、私は後日、自分が日曜学校の新聞に多くの聖書物語を寄稿するに及んで、全く記念すべき事業を、母がしてくださったことを認めないわけには行きませんでした。全国キリスト教主義学校連合と出版社のウィリアム・B・アードマン社が一つになり信仰によって母のその原稿の出版を決行してくれました。この本は、先ず三巻ものにまとめられました。母は後に一巻ものになったのを見ることなく、天に召されました。

 「あなたは心をつくし、精神をつくし、力をつくして、あなたの神、主を愛さなければならない。きょう、わたしがあなたに命じるこれらの言葉をあなたのこころに留め、努めてこれをあなたの子らに教え、あなたが家に座している時も、道を歩く時も、寝る時も、起きる時も、これについて語らなければならない」(申命記6:5-7)
マリアンネ・キャスリン・ヴォス・レイディアス


 ※ この聖書物語は「親と子の聖書」(旧約1,2、新約全3巻)として、2013年にいのちのことば社より復刊されました。

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