いかがお過ごしでしょうか。川越教会の木村香です。
今日は初めに聖書をお読みします。
「イエスはナインという町に行かれた。… ちょうど、ある母親の一人息子が死んで、棺が担ぎ出されるところだった。その母親はやもめであって、町の人が大勢そばに付き添っていた」。(ルカ7:11−12)
やもめ、ですから夫を亡くし、一人息子と二人暮らし、ところがようやく若者に育ったその一人息子が死んでしまった。そういうお母さんです。最大の悲しみ、試練。これからという望みがすべて打ち砕かれてしまいました。これからどう生きていけばいいのでしょう。
このお母さんほどでないにしても、私たちもさまざまな苦しみに出会います。どうしたらいいんだろうと思うことも多いのです。
イエス様はこのお母さんを見て他人事となさいませんでした。ご自分のことのように受け止め、お母さんに話しかけられます。「もう泣かなくともよい」。
わたしたちも言いますね。あなたの気持ちはよく分かります。でももうどうにもならないから、泣かないで耐えましょう。死ということに何の力もないわたしたちの限界です。
「もう泣かなくともよい」そんなこと言われても困ります。涙は止まりません。
いや、しかしイエス様は、泣かないでよいと言われたら、泣かないで済むようにして下さるお方です。一人息子をよみがえらせて下さったのです。
死と向かい合い、死に勝利されるお方がここにおられます。わたしたちが生きるために、ご自分は十字架に架かり、一度死なれましたけれど、死を打ち破ってよみがえって下さったお方。そのお方が、あなたにも、「泣かないでいなさい」と言って下さいます。イエス様と共にある人生は、実に慰めに満ちた人生となるのです。