あさのことば 2008年6月24日(火)放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

今井 献(東京教会牧師)

今井 献(東京教会牧師)

メッセージ: 石は転がされた

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。

 新約聖書のマルコによる福音書に記されているイエス・キリストの葬りと復活の箇所を読むと、興味深いことがあります。それは、墓穴をふさぐ石にこだわっていることです。

 15:46には、遺体を葬った「ヨセフは亜麻布を買い、イエスを十字架から降ろしてその布で巻き、岩を掘って作った墓の中に納め、墓の入り口には石を転がしておいた」とあります。
 また、復活を知らない女の弟子たちが遺体に香油を塗るために墓に行く途中の会話がわざわざこう記されています。「彼女たちは『だれが墓の入り口からあの石を転がしてくれるでしょうか』と話し合っていた。ところが、目を上げて見ると、石は既にわきへ転がしてあった。石は非常に大きかったのである」。

 この石は、死を意味しています。石によってイエス様と女たちはさえぎられています。その石は自分たちの力では動かすことができない。どうすることもできないのです。死を前にすると、誰もが自分の無力を実感します。死は親しい者と自分を分かつ恐ろしい力です。
 しかし、墓に行ってみると、石はわきに転がされていました。復活によって死が横に転がされたのです。この後、弟子たちは復活したキリストにお会いし、キリストの復活を宣べ伝える証人となりました。教会とは何かと問われるなら、復活の証人です。
 ただキリストが復活したということではありません。キリストの復活によって死が無力になった。キリストのもとには命があることを証するのが教会です。

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