あさのことば 2008年4月2日(水)放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

川杉安美(綱島教会牧師)

川杉安美(綱島教会牧師)

メッセージ: 裏切り者でさえ

 ごきげんいかがですか。網島教会の川杉安美です。
 イエス様の十二弟子の一人に、イスカリオテのユダという人がいました。
 この人は、後にイエス様を裏切り、ユダヤ教当局者達にイエス様を売り渡すことをします。彼はその事を後悔して、後に自殺をしてしまいます。

 実は、このユダがやがてイエス様を裏切ることになる、ということは、イエス様ご自身は御存知でした。それで、途中で何度もそのことを予告します。
 ところが、決して「イスカリオテのユダが裏切る」というふうに、名指しで予告することはしませんでした。「あなた方のうちの一人」とか、「食卓に一緒に手をおいている人」とか、必ずぼかして言っていたのです。ですから、最後に本当に裏切ってしまうまで、誰が裏切るのかは、誰にも分かりませんでした。どうしてそんな言い方をしたのでしょうか。
 おそらくイエス様は、直接名指ししないで、ぼかしながら言うことを通して、本人に悔い改めることを勧めていたのだと思われます。イスカリオテのユダに対して、本人が思い止まる、あるいは本人が悔い改める、そういう機会を与えていたのだと思われます。実際、イエス様が「あなた方のうちの一人が裏切る」と予告したときに、他の弟子達も「まさか自分ではないだろうか」と心配したのです。そのように、イエス様の予告は自分を省みる、そういう機会になったのです。イスカリオテのユダもそのときに、自分を省みて、悔い改めることを勧められていたのです。

 イエス様はそのように、ご自分を裏切るものにさえも、声をかけ続け、働きかけ続けていたのです。まして、私たちに、あなたに、声をかけ、働きかけないことがあるでしょうか。

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