いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
ルカによる福音書第2章にある、イエス・キリストの誕生物語は、次のように始まっています。
「そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た」。
イエス・キリストの誕生物語の書き出しにローマ皇帝アウグストゥスとその勅令のことが記されています。このことの意味は重大です。
ローマの皇帝は人が手にした最高権力を象徴しています。皇帝が命じた住民登録とは、人口調査です。ただし、その意味は今とはまったく違っています。人口調査とは、人という皇帝の財産を数えて、自分の統治をより確実なものにしようとすることなのです。
今でいうと、自分の貯金通帳を確認する、あるいは株投資の収支報告書を確認すると言ってよいような、自分の財産の確認なのです。
このような命令が出されたときにイエス・キリストが誕生しました。戦いと権力闘争に勝ってその地位についたローマの皇帝。貧しいマリアとヨセフから救い主として生まれ、人を救うためにご自身を自ら十字架にかけたキリスト。この二人が並べられています。
どちらも支配者であり、王です。力によって人を思いのままに支配する皇帝。罪人を救うために十字架にかかり、その愛によって支配するキリスト。
あなたは、人の力に信頼して生きていけますか。それとも、イエス・キリストにあらわれた神の愛を人生の土台として生きていきますか。どうか考えてください。