わたしの家では2年ほど前から、子供がカブト虫を飼育しています。カブト虫のメスは卵を20個から30個ほど産むのですが、その卵が成虫になるまで約9ヶ月ほどかかります。しかし、ただそのままにしておけばよいというものではありません。幼虫の間は、何度も土の入れ替えをしたり、土に水をやったりしなければなりません。以外と手間がかかるものなのです。
しかし、わたしも子供も、そのように手間をかけながらも、米粒よりも小さな卵が、幼虫から蛹へ、そして成虫へと成長して行く過程を観察することによって、命の不思議さ、大切さを深く教えられたのです。
考えて見ますと、この世界の中で生かされているわたしたち人間も、同じように神様の御手の中で守られ、養われているのです。マタイ福音書6章26節以下で教えられているように、神様は空の鳥や野の花さえも養っておられます。まして、わたしたち人間に対しては、それ以上の手間をかけて、その命を守り、毎日養っていてくださいます。
人間はついそのことを忘れて、戦争や暴力によって、その命を奪っています。しかし、わたしたちの命は、神様が愛し、養っていてくださる大切な命なのです。神様に感謝しつつ、その命を互いに大切にして生きる者でありたいと願います。