2007年9月23日(日)諸悪の根源(詩編86:14)

おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
今朝は旧約聖書詩編の第86編14節の言葉です。

「神よ、傲慢な者がわたしに逆らって立ち 暴虐な者の一党がわたしの命を求めています。 彼らはあなたを自分たちの前に置いていません」

この詩編には神の御前に生きる者がいだくはっきりとした自覚があります。それは、自分を「神の慈しみに生きる者」と表現している点にもっともよく現われています。
「慈しみに生きる者」という言葉は詩編全体に繰り返しでてくる表現ですが、それは神の恵み、神の慈しみに全信頼を置く敬虔な信仰者の姿です。敬虔な信仰者といっても、その人自身、神から赦されなければならない罪のもとにある人間です。「慈しみに生きる者」とは、そのような自分をまったく神の恵みに委ねる生き方をする者です。

それに対して、この詩編の作者は悪しき者たちを表現して「彼らはあなたを自分たちの前に置いていません」と述べています。人間が罪深いのは避けることができません。しかし、もっと悪いことは、神を自分の前に置こうとしないことです。自分が神から正されることも、罪を神から赦していただくことも拒む生き方です。
慈しみ深い神から目をそらし、神に背を向けて生きることこそ、あらゆる悪の根源なのです。

それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。