2007年8月19日(日)まことの勇者とは(詩編52:9)
おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
今朝は旧約聖書詩編の第52編9節の言葉です。
「見よ、この男は神を力と頼まず 自分の莫大な富に依り頼み 自分を滅ぼすものを力と頼んでいた。」
この詩編の出だしの言葉は「力ある者よ、なぜ悪事を誇るのか」と始まります。「力ある者」とは文字通り物理的に力のある者というばかりではなく、勇敢であるという力強さも含みます。特に戦いに優れた勇者は「力ある者」と呼ばれます。「力ある者」それ自身は、良いとも悪いともいえない存在です。どちらかといえば、本来は戦いに優れた良い意味の存在であったはずです。
しかし、この詩編に登場するのは、悪事を誇る力ある者です。力と勇気を与えられた者が本来その賜物を生かして活躍する場所は、悪事ではないはずです。けれども、そこが人間の愚かしいところなのです。力と勇気を手に入れた者が、悪に荷担しているのです。
人はいったいどこでその道を踏み外してしまうのでしょうか。この詩編の作者は言います。
「見よ、この男は神を力と頼まず 自分の莫大な富に依り頼み 自分を滅ぼすものを力と頼んでいた。」
本来、一人一人に賜物をお与え下さるのは神ご自身です。力も富みも神からくるものです。しかし、そのことを忘れ、神を忘れる時に、人はいとも簡単に高慢な道を歩んでしまうのです。
それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。