2007年7月15日(日)命の泉(詩編36:10)
おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
今朝は旧約聖書詩編の第36編10節の言葉です。
「命の泉はあなたにあり あなたの光に、わたしたちは光を見る」
この詩編36編は前半と後半のコントラストがはっきりとしています。前半では神に逆らう人間の罪深い世界が描かれています。神に対する畏れを失い、心は罪に対して鈍感になり、悪いことをしても平然としている世界です。そこには悪事と欺きが満ちています。
このような世界に生きているのは正にどこにでもいる人間なのです。別に特殊な悪の世界を描いているのではありません。人間の生きている世界は悪の暗闇そのものなのです。このような世界に生きる人間にどんな希望があるのでしょうか。
この詩編の作者はそのような世界をただ決して失望の目で眺めているだけではありません。この罪に満ちた世界に苦しむ人間に向けられた神の慈しみと恵みに目を留めているのです。後半では罪深い人間の世界に対して、神の慈しみ、神の真実、神の恵みの御業、神の救い、命の泉、神の光…こうした事柄が対照的に描かれています。
「命の泉はあなたにあり あなたの光に、わたしたちは光を見る」と詩編の作者は言います。
この罪の世界そのものには希望はありません。しかし、慈しみ深い神と共にあるときに、命の泉を見出し、光に照らされて生きることができるのです。
それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。