2006年4月16日(日)心が分かれた者(詩編119:113)

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。

 今朝は旧約聖書詩編の第119編113節の言葉です。

 「心の分かれている者をわたしは憎みます。 あなたの律法を愛します。」

 この詩編には「心が分かたれた者」という表現が出てきます。後にも先にもここで使われているのと同じ単語は聖書には登場しません。他の翻訳聖書では「二心の者」という訳語が当てられています。ここで言う「分かれている心」「二つの心」というのは、おそらく神へ向かう心と神から離れている心ということなのでしょう。

 聖書の中で最も大切な戒めの一つは、心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛することです。それは神へと向かう一つの心で神を愛することです。もちろん、人には一つの心しかないのですから、神を愛しながら同時に神を裏切ることはできません。ところが、ここに出てくる「心が分かれた者」とは、神を愛しているようで愛していない、口では神を敬うと言いながら、行いではそれを裏切るような生き方をしている人のことなのでしょう。いえ、人間の罪深さとはまさにこのようなものです。

 一人の人間の心が分かたれてしまわないように、この詩編の作者は、神の律法を大切にしようと誓います。神の言葉に生かされるとき、一つの心で神を愛するようにと導かれるのです。

 それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。