2005年1月9日(日)

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。

 今朝は旧約聖書詩編の第14編の言葉です。

 「神を知らぬ者は心に言う 『神などない』と。 人々は腐敗している。 忌むべき行いをする。 善を行う者はいない。」

 この詩編の出だしは、愚か者の発言で始まります。先ほどお読みした翻訳では「神を知らぬ者」とやんわりと意訳されていましたが、もともとは「愚か者」という言葉が使われています。

 「愚か者は心に言う 『神などない』と」

 今日では、「神がいる」と信じる者が愚か者で、いないと信じる人の方が賢い人だと思われる節があります。しかし、聖書の世界では、「神などいない」と思う人ほど愚かな人はいないのです。

 この詩編14編の作者は、神などいないと豪語する人間の世界の悲惨さを余すところなく描写します。

 「人々は腐敗している。 忌むべき行いをする。 善を行う者はいない。」

 神を無視して生きる世界は、腐敗しきった社会です。不正や暴力が横行しても、誰もそれをとめようとしません。強いものが弱いものから搾取しても、正義が回復されることはありません。神なき世界の悲惨さはとどめようがないのです。

 神が天から地上を見渡すと、誰も彼も「神などいない」生き方なのです。そうであればこそ、この世界には神の救いが必要なのです。

 それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。