2017年2月14日(火) ほほえみBOX-ちょこっとことばのレッスン(10)
美味しいチョコをいただくように…と励むレッスンですが、今日はバレンタインですから、あなたもたくさんいただいているのかもしれませんね?彼への告白に美味しいチョコを…あなたの真実な想いが伝わりますように。なかなか伝えることが思うようにいかない…言葉って難しいですね。
私の本棚にものすごく古い講談社学術文庫「話し言葉の技術」(金田一春彦著)があります。ネットで調べたら古本で99円とか200円とかで出ていました。かなりぎっちり詰まった内容の文庫本です。先日何気なく手に取ったのですが、この中に1月の時にお話しした「まだ」と「もう」のお話があるのに気づきました。
森鴎外のところへ、内田魯庵が話し込んで夜おそくなった時、鴎外が、お手伝いさんに「今、何時だ?」と聞くと「もう12時でございます。」と答えたのだそうです。鴎外は「12時なら『12時です』と言えばいい。『もう』だけよけいだ。」と叱ったのだと。
金田一先生は、「自分の思っていることは、ほんのちょっとした言葉にも出てしまうのだ。とにかく、ふだんの心がけが大切。言語技術はここから出発するとともに、また、技術の訓練を通して、この心がけは身につくに違いない。」と結びで語っておられ、続けて「ふだんからの謙虚な気持ちが大切だ」とのご指摘もあります。
言葉のスキルアップのバックグラウンドに必要な「相手への思いやり」、言葉のやり取りで毎日生きる私たちが忘れてはいけないキーワードですね。今日も次々と直面する出来事の中、とても相手への思いやりなんて持てない、一体どうしたらいいのか…この心の叫びをどこにうちあけたらいいのだろうと悩みますね。どうか神様への祈りの言葉もいただけますように。
「どうか、私の口の言葉が御旨にかない
心の思いが御前に置かれますように。
主よ、わたしの岩、わたしの贖い主よ。」(詩編19:15)