2012年6月26日(火)小さな朗読会154「アイを倒し、ギベオンを救った策略」
このあとで、神様はヨシュアに、恐れたり失望したりしないで、兵を連れてアイに登るように言われました。神様が手伝ってくださいます。彼らは、エリコとその王にしたようにアイとその王たちにするでしょう。今度は町にあるものは何でも自分のものにして良いとのことでした。ヨシュアは3万人の勇敢な兵を選び、誰にも見られないように、夜アイに送りました。彼は兵たちに町の向こう側に行って隠れるように命令しました。その他、町の西側に5千人の兵が隠れました。
夜明けと共にヨシュアは残りの兵を連れて正面から町に攻めて行きました。アイの王は、自分の町を目指してくるこの兵たちを見て知っていましたが、町の後ろに隠れている3万人の兵や、西側に隠れている5千人のことは知りませんでした。王は、全部の男子に町から出てイスラエル人と戦うように言いました。町には一人も男の人がいなくなりました。ヨシュアとその軍勢は恐れていると見せかけて逃げました。アイの人たちは追ってきました。「あなたの手にあるなげやりを、アイの方に差し伸べなさい。」と主は命じられました。隠れていた兵はこの合図を待っていたのです。ヨシュアがやりを指し伸ばすのを見て、彼らは隠れている所から出て、町の方に攻め入りました。アイの人たちは、門を開いたまま出て行ったので、なんなく町に入れました。兵たちは町に火をつけました。アイの人々が後ろを振り向くと、自分たちの町から煙が空まで立ちのぼっているではありませんか。ヨシュアは自分の3万の勇敢な兵が町に無事に入れたことを知りました。そこで彼やその兵は恐れているふりをやめ向き直ってアイの人と戦い始めました。イスラエルのほかの兵たちも燃えている町から出て、そちらのほうからアイの人を攻め始めました。イスラエル人は四方から敵を囲みましたので誰も逃げられません。
アイから遠くない所にギベオンという町がありました。ギベオンの人もエリコの人と同様にイスラエルの民を大変恐れていました。町の長老達はこのイスラエル人をどうすればよいか協議しました。彼らイスラエル人は、エリコを征服し、その住民をみな殺しにしました。アイも征服しています。間もなくギベオンにも来るに違いありません。誰でも知っているように、その神は土地の住民をみな滅ぼすように命令します。そこで、ギベオンの男の人は皆、大変古くて汚いボロボロの着物を着、古い靴を履き、ろばにはつぎのあたった葡萄酒の皮袋を乗せ、渇いてカビの生えたようなパンを入れた袋を持ちました。こういう格好で彼らはギルガルに陣をはっているヨシュアのもとに来ました。そして、非常に遠くの国からイスラエル人と友になりたくてやってきた旅行者のふりをしました。「あなた方はこの近くに住んでいるのかもしれないから、我々はどうしてあなたがたと友になれましょう」とイスラエル人は言いました。彼らは、「われわれはあなたの神、主の名のゆえに非常に遠い国から参りました。われわれは主がエジプトで行われた全てのことを聞き、また、シホン、およびオグの王に行われたすべての事を聞きました。このような素晴らしい神をもった民と、我々は友になりたいのです。ここにあるこのパンは、あなた方の所に来るため、我々が出立する日に、おのおの家から、まだ温かなのを旅の食糧として準備したのですが、今はもう渇いて砕けています。また、葡萄酒の皮袋も新しかったのですが破れました。我々のこの着物も靴も、旅路が非常に長かったので古びてしまいました。ですから我々と平和を結び、友になってください。」と答えました。
ヨシュアとイスラエルの司たちは、彼らと和を講じ、彼らを生かしておくと、イスラエルの神に誓って契約を結んでしまいました。しかし、大変大切なことを忘れました。神様にどうすればよいか聞かなかったのです。三日の後にギベオン人が旅行者ではなく、すぐ隣の大きな町に住んでいることをイスラエル人は知りました。イスラエルの民は、司たちがギベオン人と和を講じたことを大そう怒りました。民はこの町と戦いたかったのです。しかし、司たちは、「生かしておくが良い。イスラエルの主なる神、主を指して彼らに誓いを立てたのだから。」と言いました。ヨシュアはギベオン人に、彼らを殺さないが、イスラエルの民を騙したので彼らは召使になり、薪を切ったり、水を汲まなければならないと言いました。ギベオン人は喜びませんでしたが殺されるより良いと思いました。
こんな騙しごとによって、ギベオン人がイスラエル人と平和を講じると、他の町の王はこのことを耳にしました。そして、ギベオン人が共通の敵であるイスラエル人と和を講じたことを大そう怒りました。エルサレムの王、アドニゼデクは、ギベオン人が敵に味方したから、ギベオンと戦うのだといい、他の四人の王に助けを求めました。しかし、ギベオン人は、五人の王がギベオンを打ちに来ることを聞いて、ヨシュアに助けを求めました。主は、五人の王はイスラエルの手に渡すから、恐れないようにとヨシュアに言われました。そこでヨシュアは自分の勇敢な兵を連れ、夜、この五人の王とその軍勢に近寄りました。朝になって大きな戦いがありました。イスラエルの敵は逃げ、イスラエルの兵は彼らを追いました。主は敵にあられを降らせてヨシュアを助けられました。暫くしてヨシュアが太陽を見ると日は沈みかけていました。しかし、戦いはまだ終わっていません。そこでヨシュアは太陽に向かって「日よ、ギベオンの上に留まれ、月よ、アヤロンの谷にやすらえ」と言いました。すると、太陽は暫くその場に留まりました。歴史を通してこんなことがあったのはこの時だけです。神様はヨシュアの祈りを聞き、この日を少し長くのばされたのです。五人の王は、自分たちの兵がとてもイスラエルに勝てないと見た時、洞穴に逃げ込んで隠れました。このことを聞いてヨシュアは「洞穴の口に大石を転がし、そのそばに人をおいて守らせなさい。他のものは敵を追いなさい。あなたの神、主が彼らをあなたがたの手に渡されたからです。」と言いました。
イスラエルの兵は敵を追い、その日、五人の王の軍勢を皆征服しました。あとで、彼らは五人の王を洞穴から出し処刑しました。こうしてイスラエル人は、まだ何日も戦い続け、次々と町々を占領していきました。最後の陣営に来た時には、カデシ・バルネアからガザまでのカナン南部を全部征服していました。ここで北部の王達は、ずっと北のメロムの水で一緒になりました。彼らは、砂浜の砂のような大軍でした。多くの馬や戦車も備えていました。イスラエル人は、戦車も馬も持っていません。神様はヨシュアに「明日の今頃、私は彼らを皆イスラエルに渡す」と言って、恐れないように言われました。そこでヨシュアは自分の兵を皆連れてメロムの水まで行き、突然敵を襲いました。主はこの大軍を全部イスラエルの手に渡されました。ヨシュアの兵は彼らを海岸の近くのシドンの町まで、また東はミスレポテ・マイムまで追いました。ヨシュアは戻って、これらの国々のかしらの住むハゾルという首都を滅ぼしました。そこに住む人を皆殺しにしました。しかし、他の町は焼きませんでした。他の町にあった牛や大切なものがイスラエル人に渡されました。もちろんイスラエル人はこれらのことを一日でしたのではありません。ギベオン以外の町は全部イスラエルに立ち向かったので、長い期間かかりましたが全部滅ぼされました。ヨシュアは31人の王を征服しました。ヨシュアはイスラエルの民に、彼らが非常に立派なのでその当然の報いとしてカナンの町を神様が与えられたのではないと警告しました。神様はちょうど悪い人々を洪水で滅ぼし、ソドムとゴモラを火で滅ぼされたように、これらの国々が悪かったので滅ぼされたのです。ここは神様の世界であり、悪いことをする者は必ず罰せられます。 くまだなみこ