2012年1月10日(火)恵みの晴れ着
お正月と思ったらもう十日。昨日は「成人の日」。晴れ着を纏う若さ溢れる新成人たちのお祝いの日。ピカピカの晴れ着を纏う嬉しさはどんな気持ちだったでしょうね。でも昨年からの大震災からの痛みは続いていますし、晴れ着を纏うことはしないという新成人もたくさんいらっしゃったでしょう。
以前ネット放送になる前でしたが、私が番組でご紹介した「祈れない日のために」(石井錦一著)日本キリスト教団出版局1985年初版」という祈りの本がありました。著者のことばの一つひとつ。心にグサッと来るような鋭い本音が綴ってあり忘れられない本です。
その中に「晴れ着を着て」という祈りがあって、とても印象に残っています。それは戦争の悲しさを祈る言葉でした。こんな言葉でした。全文は大変長いので抜粋をご紹介します。
「晴れ着を着て」
神さま 新しい年がやってきました。この一年も、心をこめて
生きていきたい 信じて歩みたいと ねがっています
かつて ベトナム戦争が世界中の人たちの
心を暗くしていたときがありました。そのとき読んだ記事が
いまも忘れず心に残っています。
デモ隊の先頭に立つ若い男女が 清潔な衣服に身を包み
乙姫様のような色とりどりのアオザイをきて
美しく着飾って 死に化粧をしてデモをしていた(中略)
アオザイの晴れ着を着て いのちがけのデモに参加する
女性たちの戦争に対する抵抗の厳しさを知りました。
正月は、晴れ着を着て
たくさんの人たちが待ちの中を行きます
私も何よりもまず晴れ着をきて
主の前に礼拝を捧げたいのです。
(後略)
若者たちの平和を願う姿。今、この時代を生きる日本の若者たちもまた心に新たな決意を刻んでいるのでしょう。若き日に自分だけに与えられる一本の道で神様から使命をいただいて生きてください。あなたは何のために命を使うのでしょうか?
さて、聖書の中にも「晴れ着」という言葉があります。
「私は主によって喜び楽しみ
私の魂は私の神にあって喜び踊る。
主は救いの衣を私に着せ
恵みの晴れ着をまとわせてくださる。」(イザヤ61:10)。
私はここを読むと救い主を宿したマリヤの賛歌(ルカ1:47)の最初を思い出します。実はこのイザヤ61章は、2011年10月3日(月)のリジョイスに解説されていますのでどうぞ聴いてください。HPでは、過去の聖書日課データも全て聴くことができるようになっています。
61章は、イエスさまがナザレの会堂で朗読され、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」とおっしゃられたところです(ルカ4:21)。主は救いの衣を私に着せ、恵みの晴れ着をまとわせてくださる、この世界を救うまことの救い主がいらっしゃって約束は実現した、なんという幸いでしょうか。
新成人だけではありません。幾つであっても主の救いの恵みの晴れ着をいただけるのです。この救いが2012年を生きる全ての者の希望と力です。今年もご一緒に生きていきましょう。今年の「ほほえみトーク」もどうぞよろしくお願い致します。 くまだなみこ