2009年8月11日(火)ルーツ(2)我々はどこからきたのか 我々はなにものか 我々はどこに行くのか
「今日は何の日?」というコーナーが良くありますね。人間のルーツを考えながら思い出していたのが「クンタ・キンテ」「えっ?なに?」と思うリスナーもいらっしゃることでしょう。ずいぶん前に見ましたドラマの主人公です。「ルーツ」、1977年のアメリカのテレビドラマです。重く深く私の心に刻まれ、長い間の時が流れても忘れませんでした。調べましたらなんとその作者アレックス・ヘイリーが88年前の今日生まれたのです(1921.8.11)。作者の存在の根源の追求が200年の物語になったのです。家系は、祖父母の時代まで奴隷。7代目がヘイリー。人間としての扱いを受けることのなかったアメリカ黒人の歴史です。自分の先祖は、西アフリカ、ガンビアから奴隷としてアメリカに。敗者の歴史の回復を願うこの作品は世界的ベストセラーとなりました。
クンタ・キンテが生まれ、夜空に掲げられる印象的なシーンが最初でした。DVDを借りてもう一度見ることができるかもしれませんね。現代教養文庫としても出版されています。人種差別の問題を扱う作品、映画やドラマ、本をもっと調べてみたくなります。私もちょっと検索してみただけで、「遠い夜明け」「カラーパープル」「表決の時」「マンデェインゴ」などたくさんの作品を見つけることができました。まだまだ社会の中での人種差別の問題はなくなりませんね。同じ人種でも様々な差別が起こっていますから。
自分のルーツはどこにあるのか、これは自分で決めることが出来ません。8月は日本人がみなお墓参りをしますね。自分のルーツを訪ね、ご先祖様に感謝します。しかし、ご先祖様が神様ではありません。以前、子どもへのメッセージトラクトを見て、こども礼拝でお話したことがありました。自分の先祖を辿っていくと「おとうさん」「おじいちゃん」「ひいおじいちゃん」「ひいひいおじいちゃん」「ひいひいひいひい…」と言っているとそのうち子どもが「はい!先生わかりました!先祖はマントヒヒです!」皆で大笑い(このお話を伝えてくださった先生有難うございます)。
私は、真言宗の本家に生まれましたから、8月は丁寧なお盆の行事がありました。死ぬといったいどうなるのだろう?どこにいくのだろうか?と悩みました。この悩みから聖書に出会い、聖書の言葉が私を圧倒し、聖書に平伏して生きる人生をいただきました。世界と私たちすべての創造者なる全能の神様がおられ、ここに人間存在の根源があると知らされたのです。
聖書を開いてみましょう。「初めに、神は天地を創造された。」(創世記1:1)。最初の1ページから神様は宣言されています。
そして、クリスマスによく読まれる救い主誕生の預言の言葉。「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は「驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君」と唱えられる。ダビデの王座とその王国に権威は増し、平和は絶えることがない。王国は正義と恵みの業によって今もとこしえに、立てられ支えられる。万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。」(イザヤ9:5-6)。聖書66巻全体を貫いて神様が人間に必要なことを語ってくださっているのです。
今日の番組タイトルは、ゴーギャンの絵のタイトルです。ちょうど今東京国立近代美術館で「ゴーギャン展」開催中です。日本初公開だとのこと。「人間存在に関する深い感情や思索を造形的に表現すること」が彼の絵画の課題だったと解説にあります。
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」この絵の中央、木の実を取ろうとする人物はいったい誰でしょう?あなたであり、わたしでもあり…。「私はいったい何者なのか?」自分自身の不思議さをあなたも思っておられることでしょう。 くまだなみこ