2021年6月6日(日) 墓に住む男

 おはようございます。高知県香美市にある山田教会で牧師をしています、高内信嗣と申します。
 さていきなり質問しますが、ホラー映画はお好きでしょうか。私は大っ嫌いです。コマーシャルで流れる映画の宣伝すら見たくないくらい嫌いです。ですが一度だけ、ホラー映画から逃げる私を見て面白がった友だちに、無理やり見せられたことがあります。

 それはスティーブン・キング原作の「ペット・セメタリー」という映画です。部屋を真っ暗にして、プロジェクターで大きく映して視聴しました。友達曰く、全然怖くないということでしたが、私は冷や汗をかいて震えが止まりませんでした。タイトルにある「セメタリー」という言葉通り、「お墓」が舞台となっている作品です。死んだペットの猫をある墓に埋めると、その猫が墓から出てきて人間に襲い掛かってくる。そして猫だけでなく、人間もおそいかかってくる。こういった内容です。おどろおどろしい雰囲気の映画ですが、ご興味のある方は是非、見てほしいと思います。

 さて、墓が舞台の映画のお話をしましたが、実は聖書の中で、おどろおどろしい雰囲気の物語、墓が舞台となってイエス様がお働きをされる物語があります(マルコ5:1-21参照)。この物語で墓に住んでいる男が出てきます。墓に住んでいる人なんて通常はいないと思います。墓というのはそもそも死んだ人がいる場所です。生きている人が住むなんてありえないのです。

 つまり、この男はもはや生きているとは言えないような生活をしていたのです。人間でありながら人間ではない。人間の本当の生き方をしてはいなかったのです。もちろんこの男は悪霊に取りつかれていたため、墓に住んでいたわけですが、本来人間の中にいてはいけないものが男の中に入っていたのです。

 イエス様が男に目を向けますと、走ってきてイエス様の下にひれ伏し「かまわないでくれ」と願うのです。「かまわないでくれ」。イエス様に対して厚い壁を作っています。しかし彼がいかに壁を作ろうとも、イエス様は彼から離れることはありませんでした。彼を憐れんで、彼に取りついている悪霊を追い出されたのです。墓で暴れまわっているこの男が正気になっているのを見て、人々は恐ろしくなったと聖書は記しています。この男は正気に戻ったのです。つまりイエス様と出会い、本当の自分を取り戻したのです。本来の人間の輝きを取り戻したのです。

 イエス様に出会うというのはこういうことです。生きているとは言えない生活をしていて、人間でありながら人間でない者が、人間の本来の輝きを取り戻す。イエス様とはそういった力を持った人です。

 パンデミックになり、自粛が続き、私たちは生きていながらもその生活に覇気が出ないような日々を送っているかもしれません。神を疑ってしまい、神様に壁を作っているかもしれません。それでもイエス様はあなたを離れることはありません。あなたの輝きを取り戻してくださるお方です。生きていながら生きていないような生き方をイエス様は望んではおられません。イエス様の愛の中であなたが生き生きと生きることを、イエス様は望んでおられます。


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