2020年9月27日(日) 君のキリストの香りのせいだよ
おはようございます。高知県香美市にある山田教会で牧師をしています、高内信嗣と申します。
今月のキリストへの時間では、今どきの若者の流行語をまとめた「2020年上半期女子中学生・女子高生流行語大賞」からお話をしています。
そのランキングの「ヒト部門」の3位に、瑛人さんというアーティストの名前がランクインしていました。瑛人さんのデビューシングル「香水」という曲は、歌詞が共感できると若者の間で話題です。特にサビ部分の「♪君のドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ」というフレーズがとても心に残ります。昔、好きだった人がつけているドルチェ&ガッバーナの香水のせいで、昔の過去を思い出す。素敵な過去、楽しかった過去を思い出す。香水のせいで喜びの過去を思い出すといった内容の歌詞です。匂いは特に不思議ですね。匂いだけで懐かしい思い出が蘇ってくるということがあるかもしれません。
以前、アロマの店に行ったことがあるのですが、色んな種類のアロマにびっくりしたことがあります。色んな種類のアロマの香りを試しに嗅いでみました。どれも違いはありますが、共通して心がホッとする香りがしました。匂いや香りは私たちの懐かしい記憶を思い出させたり、私たちの心を落ち着ける効果があり、実に不思議です。
さて、実は聖書の中には香水やアロマとはまた違った特別な「香り」について記されてあります。それは「キリストの香り」です。イエス様が人間の救い主であるということを、小アジア、ギリシャ、ローマなどの各地に伝えたパウロという人が聖書の中でこのように言っています。「神は、わたしたちをいつもキリストの勝利の行進に連ならせ、わたしたちを通じて至るところに、キリストを知るという知識の香りを漂わせてくださいます。」(2コリント2:14)
イエス様が人間の救い主だと伝える自分自身から、人間がイエス・キリストを知るという知識の香りが漂っている、とパウロは言います。イエス様を信じている人たちには「キリストの香水」の香りが漂っていると言えるかもしれません。
パウロはイエス様を自分の罪の救い主であると信じて疑っていませんでした。イエス様が人間の救い主であり、私たちの存在を愛してくださる方であることを確信していました。そのパウロの書いた言葉が聖書に記されてあります。その言葉からイエス・キリストの素晴らしさが香りとなって伝わってくるのです。
パウロはさらにこう言っています。「救われる者には命から命に至らせる香りです。」(2コリント2:16)パウロから漂うキリストの香りは、イエスを知るという知識の香りであり、命から命へと至らせる香りであるということです。イエス様を知ることこそ、必ず死を迎える私たちを命へと至らせるただ一つの道です。
聖書は神様の言葉です。しかし、同時に人間が書いた言葉でもあります。そして新約聖書はイエス・キリストが私たちの救い主であると確信した人たちの言葉です。その一つ一つの言葉からキリストの香りが漂ってくるのです。今、聖書をお持ちの方は是非、聖書を開いてみてください。聖書をお持ちでない方は、是非、これから聖書を手に取って読んでみてください。イエス様の素晴らしさが感じられるでしょう。もし、イエス様の素晴らしさを感じることができたなら、「君のドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ」という歌詞ではないですけれども、ひとこと言わせてください。それは「キリストの香りのせいだよ。」